自分がうつ病かチェックするには|思いつめる前に

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心の健康度を測る方法

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無料診断プログラムが人気

映画やドラマでも取り上げられたせいか、うつ病の認知度は以前と比べて大きく向上しています。50人以上の労働者を持つ職場に義務づけられたストレスチェック制度も、こうした風潮を背景として開始された面があります。かつては奇異の目で見られがちだった精神疾患ですが、うつ病は誰でも発症の可能性を持つ心の病気です。多くの人がこの病気に興味を持つことは、重症化しないうちに治療を開始できるというメリットがあります。心の病気に限らずどの病気にも言えることですが、早く発見して治療を始めるほど治りやすくなるのです。こうした関心の高まりを受けて、インターネットでも無料で診断できるうつ病チェックサイトが数多く登場してきました。うつ病が疑われる症状に関するいくつかの質問に、YESかNOかで答えるプログラムが大半です。該当項目の数によって診断するようになっており、クイズ感覚で気軽に試すことができるのも特徴です。こうしたうつ病チェックサイトは心療内科や精神科で設置している場合も多く、ある程度の信頼性が置けます。質問項目はサイトごとに違いも見られ、多いところでは数十項目にも及ぶ例があります。当然のことながら質問項目が多いほど精度の高い診断も可能になりますが、人気を集めているのは質問数が16から18程度のサイトです。世界で認められているうつ病の診断基準は、9つの典型的なうつ病症状を挙げています。抑うつ気分や興味・喜びの喪失をはじめ、いくつかの精神症状と身体症状がこれに含まれます。チェックサイトの質問項目は、9つの症状をさらに細分化した例が多いものです。国際的な診断基準と比べ、うつ病チェックサイトの質問項目は一般の人にもわかりやすく言い換えられています。自分はうつ病でないという安心感を手軽に得られることから、多くの人の人気を集めているのです。こうしたチェックサイトは心の健康度を測る装置とも言えます。

精度の高い診断の必要性

全国の心療内科や精神科、またはメンタルクリニックで治療を受けているうつ病患者は増えていると言われます。数年前には全国の患者数が100万人を突破したと報道されました。こうしたチェックサイトで手軽に自己診断できるようになった点も、患者数が増えた背景として指摘できます。自分で症状に疑いを抱くようになれば、かつては敷居が高いと言われた精神科のような医療機関にも足を運びやすくなるのです。うつ病は発症プロセスが複雑なため、症状の表れ方も患者さんによって大きな違いが出てきます。無料のチェックサイトで自己診断できるのは、典型的な症例に限られるとも言えます。顕著な身体症状を偽装している仮面うつ病のようなケースでは、精神科や心療内科で精度の高い診断が必要です。適応障害や不安障害・双極性障害といった他の精神疾患でも抑うつ症状が見られるため、うつ病との区別がつきにくくなります。精神科や心療内科では、もちろんこうした自己診断で該当項目が少なかった人でも手を抜かずに診察してくれます。心の病気が見つかった場合は適切な治療を受けることもできます。治療方法も一律ではなく、患者さん1人1人の症状と個性に合わせた方法が選択されます。症状が軽いうちに治療を開始するほど早く治りやすくなるものです。そうした意味では無料の自己診断サービスが増えた意義は大きいと言えます。それだけ多くの人がうつ病の兆候に早く気づきやすくなり、重症化せずに済むからです。日頃からこうしたチェックの習慣を身につけていれば、症状が重くなるまで我慢するようなこともなくなります。質問項目の1つ1つは誰にでもよくある心の状態ですが、それが何個も重なっている場合は心の異変を示しているのです。小さな兆候も見逃さず迅速に対応することが病気の予防につながります。心の健康度を定期的に測定していれば、いざというときでもうつ病治療のプロに相談しやすくなるものです。